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ゆるゆる雑談 暇つぶしにどうですか

先生に否定されてしまっても、の巻

小学校の時の話。

道徳の授業で、自分の好きな漫画・嫌いな漫画をそれぞれ発表することがあった。

なぜその漫画が好きなのか、もしくは嫌いなのか理由も考えなければならなかった。

 

ある女の子が好きな漫画にドラえもんをあげていた。理由は色んな道具が出て面白いから。

 

そのあとある男の子(Mくん)が好きな漫画にこち亀をあげて、嫌いな漫画にドラえもんをあげていた。

こち亀は、両さんがたくさん失敗しながらも自分で考えてきちんと行動しているから好きだ。

ドラえもんは、のび太はいつもドラえもん任せにしていて頼りきっているから嫌いだ。

そうはっきりとみんなの前で発表した。

 

元々Mくんはクラスの中でもいい意味で人と違った視点を持っていて、言葉に説得力があった。

クラスの中の空気が「確かに…ドラえもんはあまり良くない漫画なのかな?」と変わった。

 

全員の発表が終わると、担任の先生が「この中で一番いい発表だったのは、Mです」と褒め出した。

それを聞いていたら、どこかからスンスンと泣き声が聞こえる。

泣いていたのは、ドラえもんが好きだ、と言っていた女の子だった。

 

実は私の記憶はここまでで、その後先生はどんな風に女の子をフォローしたのか、なぜ女の子が泣いていたのか、この道徳の授業の意図はなんだったのか覚えていない。

 

記憶の断片から推測するに、女の子はきっと好きなもの(ドラえもん)を否定されたことで、自分自身も否定された気分になったのかなぁと思う。

しかも1人だけに言われたわけでなく、発言力のある人物が「嫌いだ」と一言言った途端、クラス全員が「嫌いだ」となった(ように思える空気だった)。

極めつけに子どもにとって大きな存在である先生さえも「嫌いだ」と言った側に立ってしまった。

実際は先生はドラえもんのことを否定しているわけではなかったのだが、そう取られてしまいそうな言葉でMくんを褒めていたのだと思う。

 

もしこの授業の狙いが「好きなものは好き」という気持ちを大切にしてほしい、ということならば、わざわざ嫌いな漫画をあげさせることは不必要だったのではないだろうか。

 

違う先生の話になるが、美術の時間に空の絵を描いていたところ「こんな色の空はない。きちんと塗れ。」とみんなの前で全否定されたことがある。

自分なりに考えて、夕焼けになる前のグラデーションの空を描いたつもりだったのだが、先生いわく空は全て青らしい。

腑に落ちなかったが、色を塗り直したのを覚えている。

 

小学生のころは、クラスの世界がすべてで、先生が絶対のルールだ。

実は本当の世界はもっと広くてもっと自由なのだが、なかなかそれに気がつかなかった。

 

大人や強い者に否定されても、一度は疑ってみてほしい。

それ、本当なのか?と。

ドラえもんが好きな大人はたくさんいるし、空の色は青だけではない。

ひとりの発言に囚われて動けなくなると世界がグッと狭くなる。

生きにくくなる前に自分を信じて疑いの心を持ってみると良いのかもしれない。